ホンダ タクト(初代AB07・2代目AB07・3代目AF09)

一種2ストローク49cc 型式 AB07 / A-AF09 ・ 1980〜1987
ホンダ タクト(初代AB07・2代目AB07・3代目AF09)の実車写真
写真: Ypy31 / CC0 1.0出典・Wikimedia Commons等)
当時定価¥108,000〜¥143,000
排気量
49cc・2ストローク
年式
1980〜1987
免許区分
一種
タイプ
スクーター
型式
AB07 / A-AF09

ホンダ タクトは1980年9月に「タクトDX」として登場した50ccの2サイクルスクーターで、わずか2年で約72万台を売り上げた原付スクーター黎明期の大ヒット作。1982年9月のフルモデルチェンジでも型式AB07を踏襲しつつエンジンを4.0psへ強化し、1984年5月には騒音規制対応で型式をA-AF09へ改めた「スーパータクト」へと進化した。スマートな車体とVマチック機構による扱いやすさで、後の原付スクーター量産時代を切り開いた一台といえる。

当時定価

年式グレード当時定価税区分出典
1980タクトDX〈キック式〉¥108,000税別(出典: Honda公式ニュースリリース「50ccのコンパクトなスクーターホンダ『タクト』を新発売」1980年9月3日。標準現金価格 タクトDX〈キック式〉108,000円(北海道価格はプラス3,000円)。
1980タクトDXセル付¥118,000税別(出典: Honda公式ニュースリリース1980年9月3日。標準現金価格 タクトDXセル付 118,000円。
1982タクト DXキック式¥109,000税別(出典: Honda公式ニュースリリース「好評のスクーター タクトシリーズを一新…3機種を発売」1982年9月21日。標準現金価格 タクト DXキック式 109,000円(DXキック式は11月初旬発売予定)。
1982タクト DXセル付¥123,000税別(出典: Honda公式ニュースリリース1982年9月21日。標準現金価格 タクト DXセル付 123,000円。
1982タクト・フルマーク¥133,000税別(出典: Honda公式ニュースリリース1982年9月21日。標準現金価格 タクト・フルマーク 133,000円。
1982タクト・フルマーク・カスタム¥141,000税別(出典: Honda公式ニュースリリース1982年9月21日。標準現金価格 タクト・フルマーク・カスタム 141,000円。ウインドシール付は各車プラス15,000円。
1985タクト(A-AF09)¥129,000税別(出典: Honda公式ニュースリリース「50ccスクーター『ホンダタクト、タクト・フルマーク』の性能向上と装備の充実を計り発売」1985年4月17日。全国標準現金価格 タクト 129,000円(北海道・沖縄はプラス5,000円)。
1985タクト キャンディカラー仕様¥133,000税別(出典: Honda公式ニュースリリース1985年4月17日。全国標準現金価格 タクト キャンディカラー仕様 133,000円。
1985タクト・フルマーク¥139,000税別(出典: Honda公式ニュースリリース1985年4月17日。全国標準現金価格 タクト・フルマーク 139,000円。
1985タクト・フルマーク キャンディカラー仕様¥143,000税別(出典: Honda公式ニュースリリース1985年4月17日。全国標準現金価格 タクト・フルマーク キャンディカラー仕様 143,000円。

※「当時定価」は発売当時の新車価格です。現在の販売価格・中古相場ではありません。

基本スペック

メーカーホンダ
型式AB07 / A-AF09
年式1980〜1987
排気量49cc
エンジン2ストローク
免許区分一種
最高出力3.2ps / 6000rpm
乾燥重量(タクトDXキック式。セル付は51kg)49kg
全長×全幅×全高1520×630×960mm
シート高670mm
燃料タンク3.2L
始動方式キック・セル
変速機Vベルト無段変速
タイヤ前/後2.75-10-2PR / 2.75-10-2PR

諸元の出典: Honda公式ニュースリリース「50ccのコンパクトなスクーターホンダ『タクト』を新発売」1980年9月3日。標準現金価格 タクトDX〈キック式〉108,000円(北海道価格はプラス3,000円)。 / Honda公式ニュースリリース「50ccのコンパクトなスクーター ホンダ『タクト』を新発売」1980年9月3日。最高出力3.2ps/6,000rpm、乾燥重量49kg(キック)/51kg(セル付)、全長1,520×全幅630×全高960mm、始動方式キック式(DXセル付はキック・セル併用)。 / Honda公式サイト プレスインフォメーション TACT 1980.09(factbook 005)。最高出力3.2/6,000、車両重量(乾燥)49・51kg、全長1.520×全幅0.630×全高0.960m、シート高0.670m、燃料タンク容量3.2L、タイヤ(前後とも)2.75-10-2PR、始動方式キック式/セル・キック併用。 / バイクの系譜(bike-lineage.org)タクトDX/フルマーク(AB07)。数値裏取り参照:最高出力3.2ps/6000rpm、49cc、乾燥重量49kg(キック)/51kg(セル)、全長1520×全高960mm、燃料タンク3.2L、タイヤ前後2.75-10。Honda公式値と一致。(裏取り確認日 2026-06-15)

型式・世代の変遷

世代型式年式備考
初代AB071980-19821980年9月3日発表・9月4日発売。50ccの小型スクーター「タクトDX」として登場。新設計の強制空冷2サイクル3.2psエンジンとVマチック機構を搭載。キック式とセル付の2タイプ。
2代目AB071982-19841982年9月21日発表・9月23日発売のフルモデルチェンジ。型式はAB07のまま。エンジンを 4.0ps/6000rpmに強化(トルクセンサー付Vマチック)。タクト/タクト・フルマーク/フルマーク・カスタムの3機種構成。
3代目(スーパータクト)A-AF091984-19871984年5月15日発表・5月21日発売。騒音規制対応で型式がAB07→A-AF09に変更。1984年型は5.0ps/6000rpm、1985年型(1985年4月17日発表)は5.4ps/6500rpmへ向上。1987年1月のメットイン搭載AF16登場まで。

誕生の背景・歴史(ホンダ タクト(初代AB07・2代目AB07・3代目AF09))

ホンダ タクトが生まれた背景には、1970年代後半に激化したホンダとヤマハの販売競争「HY戦争」がある。ファミリーバイク領域ではヤマハに逆転を許した時期もあり、首位奪還を狙ったホンダは新型スクーターを開発。1980年9月4日、男女を問わず乗りやすく、これまでバイクに縁の薄かった層にも応える一台として「タクト」を発売した。

車名のタクトは、音楽で指揮者が振る指揮棒(タクト)に由来し、自分の思うように操れるというコンセプトを込めたとされる。初代AB07型は乾燥重量49kgの軽量な車体に強制空冷2サイクル3.2psエンジンを積み、シート高は0.67m、価格はキック式で108,000円・セル式で118,000円。乗用車感覚の乗り心地とセル始動の手軽さで人気を集め、発売当初の1年間で38万台を売る大ヒットとなった。

1982年9月の改良では型式AB07を踏襲しつつ、新設計の4.0馬力エンジンとトルクセンサー付Vマチックを採用。30km/h定地走行テスト値でリッター100kmの低燃費を実現し、上級の「フルマーク」も加わった。さらに1984年5月には騒音規制への対応として型式をAF09へ改めた新型を投入。規制に応じながら最高出力を5.0psへ引き上げ、走りを一段と軽快にした。

ファッションデザイナーのアンドレ・クレージュが手がけたクレージュ仕様(1983年に1万台限定で発売)など派生も話題を呼び、タクトはホンダがファミリーバイクで攻勢をかける主力となった。一説に2年で72万台規模を記録したとも伝えられ、原付スクーター黎明期を象徴するモデルとして、Vマチックなどの技術とともにいまも愛好家に親しまれている。

参考: Honda 公式ニュースリリース「50ccのコンパクトなスクーター ホンダ『タクト』を新発売」(1980年) / Honda 公式ニュースリリース「好評のスクーター タクトシリーズを一新…新タクトシリーズを発売」(1982年) / ホンダ・タクト - Wikipedia / タクトDX/フルマーク(AB07) - バイクの系譜

データで見るこの一台

当サイト収録データ内での相対的な位置づけです(当時定価=一次出典に基づく事実、平均は収録型式の単純平均)。

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原付免許で乗れる新基準原付への乗り換え

この型式から乗り換えるなら、原付免許でそのまま乗れるホンダ Dio110 Liteが近い後継です(最高出力3.7kW=新基準原付に適合)。

後継候補ホンダ Dio110 Lite
新車価格¥239,800(税込)
発売2025-11-20
出典Honda公式ニュース

現行で最も手頃な新基準原付スクーター。空冷110cc・14インチ・専用ローシート。

新基準原付とは(制度の基礎)

新基準原付とは、総排気量が50cc超〜125cc以下で、かつ最高出力を4.0kW以下に制御した二輪車のこと。これに適合した車両は「原付免許」で運転できます(第一種原動機付自転車に区分が追加されました)。

注意:「125ccなら原付免許で全部乗れる」わけではありません。最高出力が4.0kWを超える125cc以下の車両は第二種原付に区分され、原付免許では運転できません。

制度の施行:2025-04-01(道路交通法施行規則の改正により2025年4月1日に施行。)
従来の総排気量50cc以下(原付一種)は、2025年11月の第4次排出ガス規制への対応が技術的・コスト的に困難なため、2025年10月末で生産が実質的に終了しました。

原付免許で乗れる現行の新基準原付(例):

  • ホンダ Dio110 Lite:¥239,800(税込)/最高出力3.7kW 公式
  • ホンダ スーパーカブ110 Lite:¥341,000(税込)/最高出力3.5kW 公式

出典:日本自動車工業会(JAMA) 新基準原付について / Honda 企業情報(新基準原付 適合モデル発売 2025-10-16) / 用語の詳細は用語集「新基準原付」

よくある質問(ホンダ タクト(初代AB07・2代目AB07・3代目AF09))

ホンダ タクト(初代AB07・2代目AB07・3代目AF09)の当時の新車価格(メーカー希望小売価格)はいくらでしたか?

発売当時のメーカー希望小売価格は108,000〜143,000円(税別)でした。グレード・年式ごとの内訳と一次出典はページ内の「当時定価」表に掲載しています。

ホンダ タクト(初代AB07・2代目AB07・3代目AF09)の型式・排気量・免許区分は?

型式はAB07/A-AF09、排気量は49cc(2ストローク)、区分は原付一種です。販売期間は1980〜1987。

ホンダ タクト(初代AB07・2代目AB07・3代目AF09)は今いくら? 中古相場・買取価格の調べ方は?

中古・買取の相場は車両の状態・年式・地域で大きく変わるため、当サイトでは金額を断定していません。ページ内の「いま、いくら?」「売る・手放すなら」から、最新の中古出品や無料一括査定で実際の価格を確認できます。

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編集: 原付の足跡 編集部 / 当時定価・諸元・カラーは本文の「出典」に記載した一次資料に基づきます / 最終更新: 2026-06-15